●赤信号の腰痛
腰痛、坐骨神経痛の中でもほんのコンマ数%ですが危険なものが存在します。
下記のような症状の方は整体院や接骨院、整骨院、マッサージには行かずに直ちに医療機関を受診して下さい。
悪性腫瘍=がんの疑いがある場合
・年齢:50歳以上
・腰痛の治療を1ヵ月以上続けても痛みが軽くならない。
・1ヵ月以上痛みが続いていて、徐々に強くなってきている。
・安静にしても痛みは軽くならない。
馬尾症候群
- 痛みを伴わない。
- 両脚やお尻の付近にしびれがある。
- 間欠性跛行の合併(歩いているうちに両脚の脚の裏からお尻までしびれて歩行困難になり、前かがみになってしばらく休むと回復する)
- 脚に力が入らない。
- 排尿、排便のコントロールが困難になる。
・男性の注意点:尿が出にくいとき、前立腺の病気と誤解されやすい。
・女性の注意点:腹圧性尿失禁と勘違いされる。
- 安静時(じっとしている時)の足底のしびれ=この状態になると手術してもしびれの回復は見込めない=有効な治療法がない。
(これらの症状と椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症が伴う場合は緊急手術必要)
化膿性脊椎炎(免疫力が低下している高齢者、人工透析をしている方)
- 発熱
- 静かにしているときの強い腰痛
- 叩打痛(背中で背骨の触れるところを叩くと痛む)がある。
- 脊椎の骨折(骨粗鬆症)下記の有無の確認、あれば骨折の可能性あり
神経根障害
- 痛みのほかに時に脚に力が入らなくて歩きにくくなる。
- スリッパが脱げやすい。
- つま先が歩くときに引っかかる。
内臓の病気
- 背中から腰にかけての痛み=胃、十二指腸(★下記図参照)すい臓、肝臓、腎臓などの病気、時には卵巣嚢腫、子宮内膜症
- 激しい腰痛(何時何分に発症したと患者さんが言える激痛):解離性腹部大動脈瘤=直ちに救急車で病院搬送(死に至るため一刻を争う)
- その他:閉塞性動脈硬化症(抹消動脈疾患:PAD)
★上記背中から腰にかけての痛みの中で、寝ても覚めても写真のような腰の上あたりが左右対称に痛い場合は胃酸過多、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の疑いもあります。
どんな体勢になっても全く痛みが変わらない方はまずは念のために内科を受診して下さい。
糖尿病
- 糖尿病に合併した化膿性脊椎炎
- 糖尿病性神経障害:脚のしびれ
女性特有の腰痛、坐骨神経痛
女性には女性特有の腰痛もあります。
わかりにくい方はぜひご相談ください。
- 思春期の腰痛
- 月経前緊張症:月経前に現れる、腰痛、頭痛、腹痛、むくみ、腹部の膨満感、乳房の緊張感、睡眠障害
- 産婦人科の病気自体による腰痛
- 子宮筋腫
- 卵巣腫瘍
- 産婦人科の病気に関連して発生した脊柱、骨盤の病的異常による腰痛:
- 妊娠・分娩
- 子宮内膜症
- 女性生殖器の悪性腫瘍
- 更年期以降の女性の腰痛
- 女性ホルモンの減少に伴うめまいやホットフラッシュ、多汗、動悸、息切れなどの自律神経失調症状の一つとして発生する腰痛
- 不眠、いらいら、うつ、不安感のような心理的な要因による腰痛