気象や気圧の変化によって肩こりが悪化する現象は、「天気痛」や「気象病」の一部として知られています。特に低気圧が接近する際などに症状が出やすいとされています。
天気病、気象病とは
「天気病」とは、気圧や気温、湿度などの気象条件の変化によって引き起こされる、さまざまな身体的・精神的な不調の総称です。「気象病」とも呼ばれます。
特定の病気を指すものではなく、気象の変化が引き金となって、もともと持っている症状が悪化したり、新たな不調が現れたりする状態を指します。
天気病の主な症状
天気病で現れる症状は人それぞれですが、代表的なものには以下のようなものがあります。
- 頭痛(特に片頭痛)
- めまい、ふらつき
- 肩こり、首こり
- 関節痛、神経痛(古傷が痛むなど)
- 倦怠感、だるさ
- 吐き気
- 耳鳴り、耳の閉塞感
- 気分の落ち込み、イライラ、不安
- 睡眠障害(眠気や不眠)
- 喘息の悪化
- リウマチなどの持病の悪化
天気病になりやすい人
- 乗り物酔いをしやすい人(内耳が敏感な傾向があるため)
- ストレスを感じやすい人
- 元々、頭痛やめまい、肩こりなどの症状がある人
- 生活習慣が不規則な人(睡眠不足、運動不足など)
- 女性に多い傾向があると言われています。
天気病は多くの人が経験する身近な不調であり、適切な対処をすることで症状を和らげることができます。
気象・気圧による肩こりの原因
主なメカニズムとしては、以下の点が挙げられます。
- 自律神経の乱れ:
- 私たちの体は、気圧の変化に無意識のうちに対応しようとします。このとき、体温調節や身体のコンディションを調節する自律神経が過剰に働くことがあります。
- 自律神経には、活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経がありますが、気圧の変化によってこのバランスが乱れると、交感神経が優位になりすぎたり、切り替えがうまくいかなくなったりすることがあります。
- 交感神経が優位になると、血管が収縮し、筋肉が緊張しやすくなります。特に肩や首周りはストレスや緊張の影響を受けやすく、血流が悪くなることで肩こりを感じやすくなります。
- 内耳(ないじ)のセンサーが敏感になる:
- 内耳には気圧の変化を感知するセンサーがあります。このセンサーが敏感な人は、わずかな気圧の変化でも脳に過剰に情報が伝わり、自律神経の乱れを引き起こしやすくなります。
- 内耳と脳の近くを通る交感神経や、首周りの血管との関連も指摘されており、気圧の変化によって首や肩の筋肉が緊張しやすくなると考えられています。
- 血流の悪化と筋肉の酸欠:
- 低気圧になると、体にかかる外からの圧力が減るため、血管が膨張しやすくなります。これを自律神経が調節しようとして血管の収縮と拡張を繰り返すため、血流が悪くなることがあります。
- 血流が悪くなると、筋肉に十分な酸素や栄養が届かず、疲労物質がたまりやすくなります。これにより、筋肉が硬くなり、肩こりが悪化します。
- 体内の水分バランスの変化:
- 低気圧や高湿度の状況では、体内の水分バランスが崩れやすくなるとも言われています。むくみや冷えを招き、これも筋肉の緊張や血流悪化につながることがあります。
気象・気圧による肩こりへの対策
天気痛による肩こりを軽減するためには、自律神経を整え、血行を促進することが重要です。
自宅でできる対策
体を温める:
温かいシャワーだけでなく、38~40℃程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。
ホットタオルや温かいペットボトルを首や肩、耳周り(特に耳の後ろのへこんだ部分「完骨」)に当てるのも効果的です。耳を冷やさないように帽子やイヤーマフを使うのも良いでしょう。
ストレッチやマッサージ
軽いストレッチやマッサージは、筋肉の緊張をほぐし、血流を改善します。
耳マッサージ


両耳をつまんで上下や横に引っ張ったり、手のひらで耳を覆い円を描くように回したりするマッサージも効果的です。
首や肩のストレッチ
首をゆっくり回したり、肩甲骨を意識して動かしたりするストレッチも有効です。
規則正しい生活
毎日同じ時間に寝起きし、十分な睡眠をとることで体内時計が整い、自律神経のバランスが安定しやすくなります。
朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びることも、体内時計のリセットに役立ちます。
適度な運動
ウォーキングや軽いジョギング、ヨガ、ストレッチなど、軽く汗をかく程度の運動を習慣にすることで、全身の血行が改善され、自律神経が整いやすくなります。
食生活の改善
血流促進に役立つビタミンE(ナッツ類、アボカド)やビタミンC(柑橘類、ブロッコリー)、筋肉の健康維持に必要なタンパク質を積極的に摂取しましょう。
体内の水分巡りを助ける小豆、黒豆などの豆類、キュウリ、ゴーヤ、冬瓜などの瓜類、わかめ、昆布などの海藻類もおすすめです。

深呼吸や瞑想
深い呼吸は副交感神経を優位にし、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
その他
- 鎮痛剤の服用: 症状が強い場合は、市販の鎮痛剤(イブプロフェンやアセトアミノフェン配合)を適切に使用することも検討できます。漢方薬(五苓散など)も天気痛に効果が期待されるものがあります。
- 専門家への相談: 症状が重い場合や、自己ケアで改善しない場合は、整形外科や内科、気象病専門外来などで相談することをおすすめします。根本的な原因を探り、適切な治療法を検討してもらうことが重要です。
気象の変化による肩こりは、個人差が大きいですが、これらの対策を試すことで症状の軽減が期待できます。
夏は基礎代謝が下がる。
冬は外気が低く、体温を上げようと体が頑張るため、基礎代謝は上がりますが、夏は外気が体温に近いため、代謝を上げるエネルギーが冬より必要ありません。
それにより夏は基礎代謝は下がります。
基礎代謝が下がり、冷房、異常気象のトリプルパンチで夏は肩こり、首コリ、それらによる頭痛などが発生しやすくなります。
夏太りにご用心!
暑い夏を乗り越えるためにスタミナのある食事をとる方、多いと思います。
加えてキンキンに冷えたビール、たまりませんね!!
基礎代謝が下がる夏にたくさん食べたり飲みすぎると、エネルギーに変えることができずそのまま体に蓄積され、太りやすくなります。
くれぐれも夏の食べ過ぎ、ご注意を、、

当院では
当院では基礎代謝が下がり、冷房で冷えて固まった筋肉を、深く気持ちの良いトリガーポイントセラピーで首と肩を軽くいたします。
ただほぐすだけではなく、ご自身でできるセルフメンテナンスもお教えします。
こちらで施術するだけでなく、ご自身で体操やエクササイズすることも大切です。
虫歯にならないように朝晩歯磨き、歯間ブラシでメンテナンスするように、天気病、気象病改善のためにはエクササイズ、それと休息が大切です。
ご自宅でやってみてください。
新丸子駅徒歩3分、武蔵小杉駅徒歩10分
